マイルチャンピオンシップの想ひ出 - ノースフライト 1994年 [競馬ニュース・雑記]
松本サリン事件が起きた1994年。
ナリタブライアンが三冠を達成した年でもあります。
前年、クラシックには間に合いませんでしたが、秋に府中牝馬Sを勝ち、まだ3歳限定(当時は4歳)だったエリザベス女王杯で2着と好走します。
「ベガはベガでもホクトベガ!」のエリザベス女王杯です。
その後、暮れの阪神牝馬特別、翌1月の京都牝馬特別、3月のマイラーズCと重賞3連勝し、続く安田記念はスキーパラダイス、サクラバクシンオーらを抑え、G1初制覇を成し遂げました。
休養明けのスワンSはまだ馬体に余裕があったか、短距離のスペシャリスト・サクラバクシンオーの2着に敗れます。
そして叩き2戦目ということもあり、馬体も仕上がって迎えたマイルチャンピオンシップでした。
今考えるとくだらないのですが、当時私は「サクラなんとかオー」と「武豊」は買わないという縛りを自分に課していました。
しかしどう考えてもノースフライトとサクラバクシンオーの一騎打ち。
そうなるとこのレースはノースフライトの単勝しか買えないのです。
さらに自分に言い聞かせる意味でもまわりに「ノースフライトが勝つよ」と言って回りました。
ということで1倍台の単勝を買わなくてはならなくなりました。
かといって小心者ゆえ5万も6万も1レースにつぎ込めるはずもなく・・・
レースは予想通り、楽に先行するサクラバクシンオーと中団に控えるノースフライトといった展開で進みます。
前走でサクラバクシンオーを捉え切れなかったからか、いつもより早めに動き出したノースフライト。
大金とはいえませんがそれなりの額を投じていただけにドキドキしましたが、直線に入るとサクラバクシンオーを並ぶ間もなく交わし、あっさり抜け出すノースフライト。
そのまま1馬身半差を付けてゴール。
走破タイム1分33秒0はレコードでした。
第11回 マイルチャンピオンシップ(GI)
1着ノースフライト(角田)1番人気 1:33.0(R)
2着サクラバクシンオー(小島太)2番人気 1馬身1/2
3着フジノマッケンオー(武豊)3番人気 クビ
終わってみれば着差以上の圧勝。
単勝は170円。
実はこのレース、4着ホッカイセレス、5着ビコーペガサスと5着までは人気順どおりに入線しています。
強い馬が強いレースをして強い勝ち方をしたと言えるでしょう。
当初の予定通り、ノースフライトはこのまま引退。
厩舎関係者は「まだこの馬は完成していない」と語ったそうですが、引き際を誤らず見事な引退だったと思います。
ノースフライト 牝 鹿毛
父トニービン 母シャダイフライト 母の父ヒッティングアウェー
11戦8勝
1994年 JRA賞最優秀5歳以上牝馬
主な勝ち鞍
1993年 府中牝馬S(G3)
阪神牝馬特別(G3)
エリザベス女王杯(G1)2着
1994年 安田記念(G1)
マイルチャンピオンシップ(G1)
マイラーズC(G2)
京都牝馬特別(G3)
トニービン産駒で東京以外のG1を勝ったのは、このノースフライト(マイルチャンピオンシップ)とベガ(桜花賞)だけ。
牡馬はいません。
今年はテレグノシスとサイドワインダーが出走します。
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